新潟県に出没する「火の鳥」の正体についての仮説

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Category: 中越, 長岡市

はじめに

※当記事はアマチュアカメラマンが写真学的観点から見た新潟県のとあるイベントに毎年出没する「火の鳥」の正体について考察した仮説の記事となりますことをお許し下さい。
 あくまで「火の鳥が実在するモノだとしたら正体は何なのか」の仮説です。火の鳥の存在自体を否定するものではありません。

 ご理解頂いた上で、ご興味のある方のみスクロールしてご覧下さい。

新潟県に出没する火の鳥の正体は白鳥!?

三条市の白鳥の郷公苑の白鳥の飛翔
はるか上空を飛翔する白鳥の群れ

新潟県長岡市にある宝徳山稲荷大社で毎年11月2~3日に行われる神幸祭(よまつり)に現れる火の鳥について、毎年その正体が話題になります。

火の鳥を伝説やUMA等のスピリチャル的なことを考えずに現実的に推測すると、地上の大量のろうそくの炎が「大型の白い鳥」に反射し地上から火の鳥のように見えている可能性が高いと私は考えます。

まず、この時期に現れる新潟の大型の白い鳥というと、「越冬のため飛来する白鳥」か「白鷺(しらさぎ)」ですが、白鷺は基本的に夜間は巣で寝ているので白鷺である可能性は低いです。飛来時には夜間も飛行しつづける白鳥が火の鳥の正体なのではないかと推測します。

新潟県では10月下旬頃から白鳥の飛来しはじめ、神幸祭の時期的は白鳥の飛来シーズンとかぶります。
また10月31日に三条市にある「白鳥の郷公苑」でも白鳥が20羽近く飛来していることも確認しました。

火の鳥の動画を拡大して見比べてみるとフォルムは違えど飛び方が酷似しています。

白鳥は「白くて光を反射しやすい」、「遠く上空を飛んでいても見える」、「飛来シーズンは夜間でも飛行する」、「編隊して飛行する」という特徴があります。
現地で白鳥特有の鳴き声が聞こえないのは周囲がにぎやかかつ、はるか上空を飛んでそもそも音が地上に届かないからではないでしょうか。

別のブロガーさんが上げている動画や写真では、飛来時に見られる白鳥特有の編隊を組んで飛行する姿も数点撮られています。

では火の鳥の正体が白鳥だとしたら何故、火の鳥のように燃えているように見えるのでしょう。

次で白鳥が火の鳥に見える現象について推測した内容をお話していきます。

私が白鳥が火の鳥と推測する理由

前述でも申し上げた通り、白鳥の羽毛はすごく光を反射します。
積雪のある環境では「白い雪」よりも「白鳥のほうが白く明るく光を反射する」くらい反射率が高いです。

羽~胴体にかけての羽毛が非常に滑らかなゾーンは特に反射率が高く、まるで写真撮影に用いられる「レフ板」や「アンブレラ」のように眩しいくらい光を反射します。
この羽~胴体の部分ろうそくの光を反射させ地上からは火の鳥に見えていると考えます。

首元は毛羽立ち、胴体の羽毛はレフ板のように滑らか

また、首部分は細く反射面自体が少ないのと首周りの羽毛がやや毛羽立っており、ディフューザーという写真機材のようにに光を拡散し反射させるので、地上から強力なろうそくの光があたっていたとしても反射した光は空で拡散し地上までは届かず、羽~胴体にかけての反射した光だけが地上に届くため白鳥より首が短いフォルムに見えているではないかと推測します。

白鳥の首元の毛羽立ち

飛翔時の尾部のフォルムの違いについても説明すると、白鳥の飛翔時はヒレのついた黒い足で尻尾の部分を隠れるため、下記のように火の鳥のようなフォルムで見えるのではないか。

首の毛羽立ちと足の部分を考慮しない場合このように反射する?
首の毛羽立ちと足の部分を考慮しない場合このように反射する?

白鳥が自己発光してるように現象の考察

次に白鳥が反射して火の鳥に見えるのだとしたら、なぜ火を纏って自己発光して、ふっと出没するように見えるのでしょうか。

火の鳥が現れる条件は、大量のろうそくの光が強力な面光源となって周囲全体を照らす環境で例外なく空も光で照らされている状況です。
ろうそく付近にいる人たちから見ると、地上にある強い光源(大量のろうそく)を白鳥の胴体から羽にかけレフ板のように反射することで、火の鳥が飛んでいるように見えるのではないでしょうか。

(仮説) 火の鳥がろうそく付近で一番見える現象について

ろうそくの付近が一番火の鳥を見つけやすいと言われているのは見ている人が光源の付近にいるからで、ろうそくから離れてる人が火の鳥を見つけにくいのは白鳥にろうそくの光が当たらない影の部分しか見えてないのかと思います。

夜間に自分の手のひらを空に掲げて、スマホのフラッシュを炊いて撮影してみると想像できるかと思います。

スマホの場合はライトとカメラがほぼ同じ位置に被写体に対して光を直射すると、凹凸のある被写体でも陰影が無くのっぺりとした写真になります。背景に壁や地面などの反射するものが暗闇の中に白い被写体だけが光っているように見えるのです。

ストロボライティングやビデオライトを使用しているカメラマンならご理解いただけるかと思いますが、夜間でクリップオンストロボやビデオライトをカメラに付けて真正面から被写体を照らすと被写体の角度に関係なく、陰影が無くのっぺりと明るく撮れます。空のように背景に反射するものが一切なければ被写体だけ光っているように見えます。

(仮説) 火の鳥がふっと現れふっと消える現象について

火の鳥がフッと現れてフッと消える現象については、周囲に木々が生い茂り大型な建物もあるため、ろうそくの光が当たらない影に白鳥が移動することで火の鳥がふっと消えたように見えるのではないかと推測します。

イベント日にだけ火の鳥が見えるのはなぜなのか?

上記の理由だと「それなら日常の街明かりなどで空に飛んでいる白鳥が反射して火の鳥に見えるんじゃないか?」と思う方もいるかと思います。
イベント日でしか見えない理由についても考察いたします。

普段私達が何気なく目にしている夜間の街頭や街明かりについて、主に「上から地面を照らす」ように作られており、実は「上空を照らす強い光」はほとんどありません。
夜間の安全確保のために電灯を照らしているので、空を照らしても向けても意味がないですし、上空への照射は天体観測を行う際の光害となるため環境省から平成10年に「光害対策ガイドライン」も策定されています。現在でも日常生活に存在する「上空を照らす光」は看板や庭木を下から照らすライトアップ用の光ぐらいじゃないでしょうか。

その程度の光量ではとても上空を飛ぶ鳥まで照らせません。

イベント当日は大量のろうそくが上空まで含めた360度照らす強い光源となるためこの火だけ白鳥が火の鳥に見えるのではないかと思います。

私の拙い文章で仮説を説明してご理解いただくのも大変なので検証動画を作成しました。ご興味がある方は拝見いただければ幸いです。

最後に

火の鳥の正体が気になる方が多く居られたので、私が写真学的からみた火の鳥の正体についての仮説を記事にさせていただきました。
あくまで上記の記事は、火の鳥が実在するものであるとすれば白鳥なのではないかな。と考えている素人カメラマンの推測です。

世界各地で言い伝えられているフェニックス、鳳凰、火の鳥と言われる伝説の生き物の正体に関しても、もしかしたら夜祭で灯る炎や、大規模火災が原因で白鳥のようなの白い鳥に地上の炎の光が反射し火の鳥に見えたことで、それが火の鳥伝説として世界に広まっていった可能性もあるのではないでしょうか。

決して伝説的な火の鳥に関しての存在を否定しているわけではありません。

皆で祈願したろうそくを灯している時間帯にだけ伝説の火の鳥が現れる神秘的でロマンチックお祭りです。

ご興味のある方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

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